イベントの「あと少し」に応える、30分からのお助け託児

イベント会場で、小さな子どもを連れた親御さんが「もう少しだけ見て回りたいのに」と足を止める。そんなときに、親子の味方になろうとしているのが、「木もれ陽 yell(こもれびエール)」代表で保育士の武内あづきさんです。
「お助け託児」は、イベントの主催者や出店者と相談し、会場に託児の場所を設ける取り組みです。子ども連れで来た人が、買い物や展示をもう少し楽しみたい。出店中に子どもの居場所をつくりたい。そんなときに、30分から子どもを預かります。
出店の現場で聞いた「預けたい」の声から
きっかけは、保育士資格を持ち、イベントにも出店している友人のアイデアでした。友人がイベントに参加するなかで、子ども連れで来場した人や出店者が大変そうにしている様子を見て、「保育士資格を生かして手伝えることがあるのでは」と声をかけてくれたといいます。
あづきさん自身も、資格を取ったあとも子どもと関わり続けたいという思いを持っていました。イベントの数や形が広がるなかで、子どもを預けたい人の力になれるかもしれない。友人の言葉を受け、自分の経験を生かせる場として、お助け託児を考え始めました。
活動の拠点は松江です。米子エリアにも出向くことができ、県外からの相談も、場所や日程を聞きながら検討しています。主催者が会場に託児スペースを設けたい場合も、イベントの内容や必要なサポートを相談できます。
一度手放した保育士の夢を、子どもへの想いがつなぎ直した
保育士を目指したのは、短大へ進学した頃。保育士だった叔母の存在と、子どもが好きだったことが背中を押しました。卒業後は臨時職員として保育の現場で働き、正規採用を目指して続けましたが、職場の厳しさも重なり、幼稚園を1年半ほどで退職。資格の申請をしないまま、保育の夢を一度手放しました。
それでも、子どもと関わりたい気持ちはなくなりませんでした。結婚後は三人の子どもを育て、子どもたちが大きくなってきた頃に、あらためて保育士資格を申請。もう一度、保育の仕事に戻りました。いったん離れた夢に、子育てを経て自分のタイミングで戻ってきたのです。

あづきさんが保育の仕事に感じている喜びは、子どもたちの成長をそばで見守れること。卒園した子が会いに来てくれることも、大きな励みになっています。子ども一人ひとりの中にある「パッときらめく何か」を見つけられるような関わりを大切にしたいと話します。
その経験が、今の活動の土台にもなっています。子どもと関わり続けたいという思いに、自身が子育て中に感じた「親にもひと息つける時間が必要」という実感が重なり、お助け託児へとつながりました。
苦手だった交流会へ。子どもの居場所をつくる仲間を探して
いま、あづきさんが力を入れているのは、一緒に取り組める人との出会いを探すことです。子どもの遊び場をつくる人や、おままごとセットを手作りする人など、活動に共感できる相手とつながるため、交流会やイベントに足を運んでいます。話を聞いたり、考え方に触れたりすることが、自分の活動を考えるヒントにもなっています。
実は、あづきさんは「めちゃくちゃ人見知り」。人と会うことも交流会に出ることも、得意ではありません。それでも、占いで「今は転換期。恐れずに決めていい」と背中を押されたことや、「止まっていたら何も変わらない」という思いから、少しずつ行動を始めました。
タロットなどで「恐れずに決める」「まず行動する」と背中を押されたことも転機になりました。人見知りの自分を自覚しながらも、待つだけでは変わらないと、交流会やイベントへ。苦手を抱えたまま一歩を踏み出す姿に、あづきさんの新しい挑戦が表れています。

親子が少しひと息つける場を、一緒につくる
あづきさんが届けたいのは、子ども連れでイベントを楽しみたい主催者や、出店中に子どもの居場所が必要な出店者、そして「ほんの数十分でも預かってほしい」と感じている親御さんです。
その思いの根には、あづきさん自身の子育ての経験があります。仕事と三人の子育てに追われ、自分のために息をつく時間がほとんど持てなかった時期がありました。保育所以外にも安心して預けられる場所があれば、自分の時間を少し持てたかもしれない。その実感が、いま親御さんに届けたい「ほっとひと息つける時間」につながっています。
イベントでの託児だけでなく、美容室や整体などへ行く間に少し預かってほしいといった相談も、内容を聞きながら考えたいとのこと。将来的には子ども食堂など、子どもたちの居場所づくりにも取り組みたいと話します。まずは、親子がほっとできる小さな時間を一緒につくることから始めています。
料金とご依頼について
- イベント託児(30分):1人 500円/2人 750円/3人 1,000円
- ちょっとだけ託児(1時間):1,000円
- イベント主催者さまの託児所設置:要相談
お助け託児は、保育士として働きながら少しずつ形にしている新しい取り組みです。Instagramでも相談を受け付け始めたところで、これから出会う主催者や出店者、親御さんと一緒に必要な形を考えていきます。勤務の都合から対応日は土日祝日が中心。日程が分かり次第、2か月ほど前までに相談できると調整しやすいそうです。移動距離によって交通費がかかる場合があり、会場や人数、必要なサポートの内容によって条件も変わるため、まずは問い合わせてみてください。
託児の依頼や子育てについての相談は、木もれ陽 yell のInstagramのDMで受け付けています。「イベントで託児をお願いしたい」「この時間だけ預けられるかな」と思ったら、希望する日時や場所を添えて問い合わせてみてください。


